国際労働機関(ILO)事務局長:世界的な貿易摩擦が労働市場に打撃
ILOのホンボ事務局長は2日に開催された国際労働会議において、現在、世界的な貿易摩擦が激化しており、各国の労働市場に影響を与えていると述べた。
第113回国際労働会議が2日、スイスのジュネーブで開幕した。ホンボ事務局長は演説の中で、ILOの世界雇用・社会展望報告書の最新予測によると、2025年の世界の新規雇用者数は5,300万人と、昨年10月時点の6,000万人から700万人減少するとの見通しを示した。この変化の主な理由は、貿易摩擦の激化が世界経済成長の減速につながっていることだ。
ホンボ事務局長はまた、人工知能(AI)の普及が世界の労働市場にますます大きな影響を与えていると述べた。メディア、ソフトウェア開発、金融といった高度にデジタル化された職種は、今後ますます大きなリスクに直面すると予想される。同時に、反復的な肉体労働に依存する職業も「ますます脆弱になる」だろう。
今回の国際労働会議は13日まで開催される。国際労働機関(ILO)加盟国187カ国の代表が、生物学的危害の防止、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、海上労働条約の改正といった問題に焦点を当てる。
ILO会議はILOの最高機関であり、毎年5月と6月にジュネーブで開催される。1919年に設立されたILOは、政府、使用者、労働者の代表からなる三者構成の組織である。その主な目的は、完全雇用と労使協力の促進、労働条件の改善、社会保障の拡充、労働者の権利と利益の保障、そして社会平等の維持である。