日本企業経営者調査:85.6%が中国戦略を調整せず

大手企業は労働時間規制の緩和を求めている。日経新聞が100人の日本企業経営者を対象に実施した調査では、回答者の9割近くが高市早苗政権が検討している緩和策を支持した。裁量労働制の適用範囲拡大を求める声も相次いだ。柔軟な働き方の拡大と生産性向上への企業の意欲は、ますます高まっている。

この調査は12月2日から22日にかけて、大手企業の社長(会長を含む)を対象に実施され、141社から回答を得た。

新設された「日本成長戦略会議」の初会合において、高市政権は「総合経済対策に盛り込むべき主要施策」を提言した。労働時間規制の緩和策が列挙され、「従業員の心身の健康維持と選択肢の確保を前提に、労働時間規制に関する政策対応について、多角的な観点から検討する」と明記された。

残業時間の上限規制の引き上げや、事前に合意した労働時間を労働とみなす裁量労働制の拡大などが選択肢として挙げられている。

日本政府が議論している労働時間規制の緩和については、賛成が86.3%(26.3%)と60.0%(60.0%)で、それぞれ賛成が高かった。賛成の理由としては、「柔軟な働き方の実現につながる」(92.7%)が、「深刻な人手不足の緩和」(31.7%)といった意見を大きく上回った。

例外もあるものの、日本の労働基準法は週40時間、働き方改革関連法は月45時間という残業時間の上限を定めている。これらの規制緩和については、労働者の負担増加や長時間労働の常態化を懸念する労働組合や法律専門家の間で懸念の声が上がっている。

「おおむね反対」「反対」の意見を持つ経営者も同様の懸念を示しており、回答者の76.9%が「従業員の心身に不調が生じる」を理由に挙げています。また、「AIの導入により労働時間が短縮できる」と回答する経営者もおり、肉体労働に頼らずに生産性を向上させる施策への期待が高まっています。

裁量労働制は、研究開発などの専門業務型と、本社の企画業務などの企画業務型に大別されます。対象範囲の拡大については、「賛成」(26.8%)と「おおむね賛成」(52.5%)を合わせると79.3%に達しました。

また、高市早苗政権への期待についても質問しました(最大3つまで選択可能)。 「経済安全保障の強化」が42.6%で最も多く、次いで「AIや半導体といった先端産業への公的資金支援」(30.5%)、「物価上昇への対応」(22.0%)が続いた。

政府が提唱する「責任ある積極的財政政策」については、「賛成」と「概ね賛成」を合わせた割合は94%に達した。

東レの大矢光夫社長は、「積極的財政政策と成長促進投資の同時推進は評価できるが、財政規律と市場の安定性に対する信頼の欠如は、企業にとって不安材料となり得る」と述べた。旭化成の工藤幸四郎社長は、「経済安全保障の観点から、エネルギー自給率の向上や重要資源の確保に向けた対策強化が求められる」と期待を示した。

さらに、高市早苗首相の「台湾緊急事態」への対応に対する中国の強い反発に対し、経済界は冷静な対応を示している。

日中関係の悪化が事業運営に与える影響については、回答者の67.3%が「マイナス」または「概ねマイナス」と回答しましたが、中国戦略については85.6%が「調整なし」と回答しました。

従業員の安全確保に向けた取り組みは急速に進んでいます。従業員の中国出張については、18.9%が「調整する」または「調整を検討する」と回答しました。大手日系メーカーは、「緊急を要しない出張を一時的に禁止する」措置を講じると述べました。

清水建設の新村達也社長は、「当社は主に中国で日系企業向けに建設サービスを提供しており、日系企業の設備投資意欲が低下した場合、中国における営業利益が減少することを懸念している」と述べました。