「ニュー台湾ドルショック」は米ドル下落の前兆となるのか?
5月8日のニューヨーク外国為替市場では、円の対ドル為替レートが1ドル=146円10銭付近まで下落し、約1カ月ぶりの円安水準を更新した。米国は英国との貿易協定に署名することに合意し、高関税政策に対する市場の懸念は和らいだ。しかし、投資家らは今週初めの「台湾ドルショック」をますます警戒しており、この合意がドル高につながるとの見方は極めて限られている。
トランプ米大統領は英国との貿易協定を発表した後、メディアに「今すぐ株を買ってください!」と呼びかけた。
鉄鋼やアルミニウム製品など、これまで交渉が難しいと考えられていた製品も関税引き下げの対象となったため、投資家心理は急速に改善した。米国が4月2日に相互関税を発表して以来弱含みだったドルは、大量に買い戻された。主要通貨に対する米ドルの総合的な強さを表す「ドル指数」は約1カ月ぶりに100近辺を回復した。
しかし、合意後にこれまで流出していた海外投資家の資金が米国に戻ってくるというシナリオについては懐疑的な見方も多い。これは、市場が依然として「ニュー台湾ドルショック」を懸念しているためだ。