円は1ドル=155円台まで下落した
11月12日、外国為替市場で円は1ドル=155円台まで下落した。円がこの水準まで下落したのは2月4日以来、約9カ月ぶりのことだ。米国政府機関閉鎖が終息に近づく中、市場では米国経済への下押し圧力が和らぐとの見方が広がり、ドル買いが優勢となっている。
米国上院は11月10日、史上最長の政府閉鎖の終結を目指す暫定予算案を可決した。この法案は間もなく下院で採決される見込みで、市場では米国政府機関閉鎖が解除されるとの見方が広がっている。
円は9月末時点で1ドル=147円前後で推移しており、わずか1カ月半で7円以上も下落した。高市早苗首相が就任後、拡張的な財政政策を実施するとの見方が強く、こうした見方も投資家による様々な通貨に対する円売りを促している。 11月12日、円は1ユーロ=179円台まで下落し、1999年のユーロ導入以来の最安値を記録した。
一部の市場関係者は、円が1ドル=155円を超える水準まで下落した場合、日本政府と日本銀行(中央銀行)が円買い介入を行う可能性が高まると見ている。日本は主要国の中で政策金利が最も低い水準を維持しており、円買いを促す要因に乏しい。今後の焦点は、片山さつき財務大臣をはじめとする関係者が円安抑制に向けた発言介入を強化するかどうかとなるだろう。
