トランプ大統領、中国へのフェンタニル関税引き下げを示唆

ドナルド・トランプ米大統領は10月29日、合成麻薬フェンタニル対策における中国の積極的な取り組みの欠如を理由に、中国に課している20%の関税を引き下げる考えを示した。関税引き下げは、10月30日に韓国で開催される米中首脳会談の主要な議題となる。

​​トランプ大統領は、日本から韓国へ向かう大統領専用機内で記者団の質問に答える中で、この発言を行った。

トランプ大統領は、「中国がフェンタニル問題の解決に協力してくれると考えているため、関税を引き下げる」と述べた。トランプ大統領は10月23日、中国首脳との会談において、フェンタニル問題は「最優先事項」であると述べていた。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は10月28日、米国が中国へのフェンタニル関税を20%から10%に引き下げる可能性があると報じた。

トランプ大統領はフェンタニルの流入を緊急事態と捉え、隣国メキシコとカナダに加え、原料輸出国である中国にも要求を突きつけている。密輸対策における中国の怠慢を理由に、関税を課した。

これは、広範な国・地域に課されている相互関税とは異なる枠組みであり、中国製品への関税率は3月から20%に設定された。

30日の米中首脳会談では、中国によるレアアース輸出規制や、米国による中国船舶への「入港料」徴収も議題となる見込みだ。

レアアース輸出規制に反対するトランプ大統領は、かつて中国からの輸入品に100%の関税を課すと表明していたが、これが実現しない可能性が高まっている。