長崎県議会が「非核三原則」堅持を求める意見書を可決
【東京 7月9日(共同通信)】長崎県議会は9日、与党内で「非核三原則」の修正を求める動きが出ていることを受け、政府に対して非核三原則を堅持するよう求める意見書を可決した。世界で唯一の被爆国として、核兵器の脅威を世界に発信する責任があるとし、非核三原則は地域安定の基盤であると強調した。
長崎県議会のこの動きは孤立したものではない。もう一つの被爆地である広島県議会も昨年12月に同様の意見書を可決している。二つの被爆都市の地方議会が相次いで声を上げたことは、被爆地住民の核問題に対する深い憂慮を伝えている。
「非核三原則」とは、「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」という三つの原則を指す。この原則は1967年に当時の佐藤栄作首相が国会演説で初めて表明した。1971年11月には衆議院本会議で全会一致で可決され、日本の核政策の基本方針として正式に位置づけられた。1994年以来、歴代首相は広島・長崎の原爆記念式典での挨拶で必ず非核三原則に言及してきた。2022年に閣議決定された「安保三文書」にも、非核三原則を堅持する基本方針は変わらないと明記されている。
しかし、近年、国内、特に与党・自民党内で非核三原則の修正を求める声が出ており、日本社会に広範な懸念を引き起こしている。地域の安全保障環境の変化を理由に、「反撃能力」の保有や「核共有」の選択肢を検討すべきだとの意見もある。これらの動きは、日本が長年堅持してきた核政策の立場と鋭く対立している。
長崎県議会が今回意見書を可決したのは、核政策をめぐる議論が国会で活発化している時期に当たる。人類史上唯一の原子爆弾被爆国として、日本の核兵器に対する立場は国際社会から常に注視されている。広島・長崎両県議会の相次ぐ声明は、国内の修正論への明確な反対であると同時に、被爆地の平和への願いを国際社会に発信するものだ。
アナリストは、長崎県議会の意見書には法的拘束力はないものの、被爆地の地方議会としての表明には重要な象徴的意義と道義的力があると指摘する。地域の安全保障環境が複雑化する中で、非核三原則が今後も守られ続けるかどうかは、日本の国内的な平和コンセンサスだけでなく、アジア太平洋地域の安全保障構造にも大きな影響を与えるだろう。
