日経平均株価、都議選勝利を受け過去最高値を更新
2月9日の東京市場で日経平均株価は力強い上昇基調を維持し、終値は2110ポイント(3.89%)高の56363ポイントで、史上最高値を更新しました。上げ幅は一時3000ポイントを超え、取引時間中には一時57000ポイントを突破する場面もありました。2月8日に行われた衆議院選挙では、自民党が圧勝しました。戦後初めて単独政党が3分の2の議席を獲得したことで、自民党の政権基盤が強化され、政策実現への期待が高まり、株式市場への資金流入が加速しました。不透明感からこれまで慎重だった海外ファンドも買いを入れ始め、上昇に弾みをつけました。
SBI証券の執行役員である土井正雄氏は、「取引システムがスローダウンする場面もあり、投資家の関心の高さが伺えます」と述べています。自民党の予想を上回る勝利を受け、日本株式市場では寄り付き直後から買いが集中した。
東京証券取引所のメインボード銘柄の約8割が上昇。半導体や防衛関連銘柄を牽引役に、ディスコは一時10.41%上昇した。政権基盤が盤石となったことで、高市早苗首相率いる政権が成長戦略の実行力を強化し、政策を加速させるという市場の期待が一段と高まった。
史上最高値を更新する銘柄が相次いだ。トヨタ自動車は一時5.82%上昇し、約2年ぶりの高値を更新。川崎重工業は一時17.95%上昇し、3週間ぶりの高値を更新。三菱UFJフィナンシャル・グループも3週間ぶりの高値を更新。大成建設は一時7.93%上昇し、建設株の堅調さも目立った。
市場の注目は、この株価上昇が持続するかどうかに移っている。日本の株式市場は、選挙後や不確実性の払拭後に株価が上昇することが多く、特に自民党が圧勝した後には株価が上昇を続けるケースが多い。
英国の資産運用会社W1Mインベストメント・マネジメントのステファン・ラインワルド氏は、「強固な権力基盤を背景に圧倒的勝利を収めた高市都政は、小泉政権や安倍政権を彷彿とさせる」と述べている。2005年に自民党が296議席を獲得した後、日経平均株価は選挙後120営業日で平均26%上昇し、2012年の政権交代後には34%上昇した。
しかし、アセットマネジメントOneのチーフマーケットアナリスト、清水健氏は、「現在の株式市場環境は当時とは全く異なり、当時の戦略をそのまま適用することはできない」と指摘する。
当時、日本はデフレ環境にあり、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)はマイナスでした。大規模な金融緩和によるデフレ脱却への期待は、すぐに株式市場に集中しました。しかし、インフレ率が2%を超える現在、インフレ抑制が課題となっています。為替レートに関して言えば、当時はドル円が83円前後で、円安は企業業績への直接的なプラス材料と捉えられていましたが、現在ではインフレを押し上げる可能性があると捉えられることが多くなっています。
第一生命経済研究所の主任研究員である嶋峯良清氏は、「『責任ある積極的財政政策』の枠組みの下、効果的な実行によって潜在成長率を高められるかどうかが、株式市場の継続的な上昇の鍵となる」と指摘しています。「アベノミクス」時代は、政策の焦点がデフレ脱却に置かれ、「第三の矢」と呼ばれた成長戦略は、期待された効果を発揮できませんでした。投資家は、高市政が打ち出した「稼ぐ力」強化策が、本当に日本経済の生産性向上と競争力回復に繋がるのか、注視している。
9日、長期金利の指標となる10年国債利回りは、前週末比0.055ポイント上昇し、一時2.28%まで上昇した。外国為替市場では、序盤に1ドル=157円まで円安が進んだものの、その後は156円台まで持ち直し、全体としては変動幅は限定的だった。
ある国内証券会社のトレーダーは、「予想を上回る業績を受けて海外ファンドの参入は目立っているが、ファンダメンタルズ重視の年金基金など、海外の長期投資家はまだ本格的に動き出していない」と指摘する。海外の政府系ファンドなどが追随すれば、相場の上昇はさらに拡大する可能性があり、まだ参入できていない長期投資家を取り込めるかどうかが焦点となる。
「日本株式市場の成長性に投資したいのですが、円安は今後も続くのでしょうか?」と、UBS三井住友トラスト・ウェルスマネジメント・ジャパンの青木大樹最高投資責任者(CIO)は先週シンガポールを訪問した際に、投資家から繰り返しこの質問を受けた。海外投資家にとって、円安が株価上昇を相殺してしまうのではないかという懸念は依然として根強い。株式市場の上昇モメンタムを維持するには、円への信頼を維持しながら、成長戦略の道筋とメリットを明確に示すことが不可欠だ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア投資ストラテジスト、大西浩平氏は、「選挙前は、多くの国内投資家がまだ買い控えをしていた」と振り返る。こうした慎重な買いが、短期的には株価を支える要因となる可能性がある。政治の安定をめぐる「期待」が具体的な行動に繋がるかどうかが、今後の株式市場の行方を左右するだろう。
