中国の米国向け希土類磁石輸出が6ヶ月ぶりの高水準に達した
中国は7月に米国へ619トンの希土類磁石を輸出した。これは前年同月比5%増、前月比76%増となり、6カ月ぶりの高水準となった。米中交渉を受け、中国は米国への希土類磁石輸出の正常化を推進してきた。
中国の調査会社、フェロアロイ・オンラインは、中国税関総署のデータに基づきデータをまとめた。中国の7月の希土類磁石輸出量は5,577トンで、前年同月比6%増、前月比75%増となり、前年並みの水準に戻った。
国・地域別では、米国への輸出が2位、ドイツが1,115トンで1位となった。前年同月比3%減、前月比46%増となり、ほぼ前年並みの水準に戻った。
7月の希土類磁石の日本への輸出量は232トンで、前月比で増加したものの、回復は緩やかです。日本企業は、磁石製造用の希土類磁石の粉末や合金の半製品の輸入を増やしています。粉末と合金を含めた中国の7月の対日輸出量は686トンに回復し、前年同月を上回りました。
インドへの輸出は418トンで、前年同月比60%増、前月の約2.4倍となりました。インドは中国に対し、希土類の輸出規制緩和を提案しています。インドメディアの報道によると、インドを訪問中の王毅中国共産党政治局員兼外相は、供給回復の見通しを表明しました。
中国は世界の希土類生産量の約7割、希土類磁石市場の8割以上を占めています。中国による希土類磁石の輸出規制強化により、フォード・モーターを含む一部の米国工場は操業停止を余儀なくされました。
米中交渉において、中国は関税に加え、トランプ政権に対し対中半導体規制の緩和も求めました。米国側はNVIDIAからの半導体輸出を一部許可しました。一方、米国は中国に対し、希土類磁石の対米輸出の正常化も求めており、輸出情勢への懸念が高まっています。