パナソニック、住宅設備子会社をYKKに売却
パナソニックホールディングスは、住宅設備機器事業を主力とする完全子会社パナソニック ハウジングソリューションズをYKKグループに売却する。これは、2025年に本格始動する事業再編計画の一環であり、収益性の低い事業の売却を通じて、より軽量な経営体制への移行を加速させる。
発表は11月17日午後に行われた。パナソニック ハウジングソリューションズの事業は、樹脂製トイレ「アラウーノ」をはじめ、キッチン家電、浴室設備、ドアや床材などの内装材、雨どいや宅配ボックスなどの屋外アクセサリーなど、住宅関連製品を幅広く取り扱っている。営業利益は非公表だが、2024年度(2025年3月期)の売上高は4,795億円に達する見込みだ。2025年3月末時点の従業員数は1万939人である。
YKKグループは、住宅設備機器事業を主力とする子会社YKKAPを保有している。 YKKAPは、連結売上高を2024年度の5,616億円から2030年度までに1兆円に拡大するという目標を掲げています。現在、国内の新築住宅着工戸数は減少傾向が続いており、YKKAPは従来の新築住宅用ドア・窓への過度な依存から事業構造の転換を図り、リフォーム・リノベーション市場への注力を進めています。今回の買収は、パナソニック ハウジングソリューションズの製品群を獲得し、多様な住宅リフォームニーズに対応することを目的としています。
パナソニックホールディングスは、業界の低迷する成長下において生産性と利益率の向上を目指し、事業構造改革を進めています。国内外で1万人の人員削減を発表したほか、事業ポートフォリオの再構築を進め、撤退・売却を検討する必要がある「課題事業」と、対策が必要な「再構築事業」に事業を分類しています。パナソニック ハウジングソリューションズは、この「再構築事業」に該当します。
