IMF、2025年の世界経済成長率見通しを3.2%に上方修正
国際通貨基金(IMF)は10月14日、2025年の世界経済成長率見通しを3.2%に上方修正しました。これは、米国と主要国・地域間の関税交渉の進展を反映したものであり、前回7月の予測から0.2ポイント上昇しています。IMFは急激な落ち込みは回避すると見込んでいるものの、「人工知能(AI)ブームの崩壊」のリスクも高まっています。
IMFは四半期ごとに経済見通しを見直しています。米国による相互関税の発表を受けた4月の見通しでは、2025年の成長率は0.5ポイント下方修正されました。しかし、その後7月と10月の上方修正により、成長率は合計で0.4ポイント回復しました。
2025年の3.2%という成長率見通しは、米国大統領選挙前の2024年10月の見通しから変更ありません。 2026年の経済成長率は、7月時点の見通しから据え置き、3.1%としている。急激な落ち込みは避けつつも、2024年の3.3%から緩やかな減速を見込んでいる。
2025年の米国経済成長率は0.1ポイント上昇し2.0%、ユーロ圏も0.2ポイント上昇し1.2%となった。EUと日本は7月以降、米国との関税交渉で合意に至った。「ビッグ・アメリカン」法案の成立や連邦準備制度理事会(FRB)による利下げも、米国経済の追い風となるだろう。
日本の経済成長率は7月時点の見通しから0.4ポイント引き上げられ、1.1%となった。IMFは、他の国・地域よりも大幅な上方修正となった理由として、実質賃金の上昇が個人消費を支えていると説明した。しかし、日本の経済成長率は、外需の減速により、2026年には0.6%に鈍化すると予想されています。
中国の成長率は、2024年の5.0%という前回予測から変更なく、2025年には4.8%、2026年には4.2%に低下すると予想されています。トランプ米大統領は、中国からのレアアース輸出に100%の関税を課すと警告していますが、今回の見通しには反映されていません。
今後の下振れリスクに関して、IMFは関税政策に加え、「AIブームの崩壊」の可能性を明確に指摘しています。IMFは、「AIの過度に楽観的な成長予測は修正され、市場の調整を引き起こす可能性がある」と考えています。
金価格が4,200ドルを突破。