世界の銅価格が3か月ぶりの高値に上昇
銅の国際指標であるロンドン金属取引所(LME)の3カ月物先物は、約3カ月ぶりの高値を記録した。世界の銅地金消費量の60%を占める中国では、トランプ政権の関税政策に対する警戒が緩和し、銅消費量の増加に賭けた買いが優勢となっている。
LMEの3か月銅先物は2月14日に1トンあたり9,684.5ドルまで上昇し、2024年11月7日以来の高値を記録した。 14日に発表された1月の米小売売上高は市場予想を下回り、LMEの3カ月物先物終値は下落したものの、1万ドルの水準に近づいた。
トランプ大統領は中国からの輸入品に10%の関税を課した。ただ、大統領選の際にはトランプ氏が中国に60%の追加関税を課すことを提案したが、「今は予想していたほど厳しくなく、経済への懸念も若干和らいだ」(みずほ銀行の菊池雄太取締役)という。
銅は電気インフラや電気機器に使用されるだけでなく、建物内の電気配線にも使用されます。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田智久主任研究員は「中国の不動産市場は不確実性が高いが、景気刺激策も導入されており、こうした分野での消費拡大も期待できる」と指摘した。トランプ大統領の関税政策に対する市場の懸念は依然として大きく、菊地氏は「(銅価格が)上昇し続けるとは思わない」と述べた。
