銀価格が60ドルを突破

銀価格は再び急騰した。国際的に重要な指標であるロンドンスポット価格は、12月9日に初めて1オンスあたり60ドルを突破した。10日のアジア市場でも上昇傾向は続き、0.7851ドル(1.3%)高の61.4584ドルとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの可能性をにらみ、投機資金が流入した。

日本でも金価格が最高値を更新した。日本最大の金小売販売業者である田中貴金属工業は、10日午前、前日比218円(0.94%)高の1グラムあたり23,430円(約1,062.9元)の小売価格を発表した。米国の利下げ期待に加え、外国為替市場で円が対ドルで下落したことも、円建て価格を押し上げた。

米国による追加利下げは、金利を生まない金や銀といった貴金属の投資価値を高めるだろう。10日に開催される連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)について、日本のマーケットアナリストである豊島逸夫氏は「市場が来年以降も利下げが続くとの見方を示せば、貴金属は更なる支援を受けるだろう」と述べた。

一方で、市場が追加利下げに慎重な姿勢を維持している兆候が出れば、市場の重荷となるだろう。

銀価格について、日本市場戦略研究所の亀井幸一郎氏は「現在の上昇トレンドは非常に急速であり、近い将来、急落する可能性が高い」と指摘した。銀は金に比べて割安なため、投機資金を引き付けて急騰する可能性がある。市場の利下げ期待が薄れれば、大幅な調整局面に入る可能性もある。(金価格