アジアからヨーロッパへのコンテナ輸送量が過去最高を記録

一般財団法人日本海事センター(東京都千代田区)がまとめた1~3月のアジア発欧州向け海上コンテナ輸送量は、前年同月比8.7%増の447万1476TEU(20フィートコンテナ換算)となった。中国発の貨物増加が牽引し、1~3月の輸送量は過去最高を記録した。

輸送量の約8割を占めるグレーターチャイナ(中国本土と香港の合計)向けは前年同月比11.2%増と大幅に増加した。同センターがまとめたEU(欧州連合)の中国からの輸入実績(1~2月の累計)では、「電気機器・AV機器等」が前年同月比30.8%増、「機械類」が同29.2%増と、主要品目の輸送が好調だった。

日本を含む北東アジア向けの輸送量は、1月から3月にかけて前年同期比4.1%減少しました。東南アジア向けは5.4%増加しました。

仕向地別では、主要港湾が多く、荷揚げ量の6割を占める北欧向けが6.5%増加しました。西地中海向けは13.2%、東地中海向けは11.4%増加しました。

アジア発ヨーロッパ向けコンテナ運賃は同時期に下落しました。上海海運取引所のデータによると、上海発ヨーロッパ向け運賃は2024年12月末から2025年3月末までに56%下落しました。これは、大型新造船がヨーロッパ航路に投入されたことで、コンテナ輸送の供給過剰が発生したためです。

米中関税戦争の影響も、ヨーロッパ向けの輸送量と運賃に影響を与える可能性があります。 「中国企業は米国での販売減速を補うため欧州での販売拡大に努めているが、欧州経済への影響が懸念され、消費者の購買意欲が持続できるかは不透明だ」(日本海事センター)との見方もある。

欧州発アジア向け輸送量は1~3月で前年同月比6.0%減の150万1,234トンとなった。月別輸送量は3月まで7カ月連続で前年同月を下回っている。中国では不動産需要の落ち込みが響き、木材などの輸送が低迷している。