アシックスは2025年度に純利益が22%増加すると予想

アシックスは14日、2025年12月期の連結純利益が前期比22%増の780億円となり、過去最高になるとの見通しを発表した。主力商品のランニングシューズに加え、高級ブランド「オニツカタイガー」も日本国内市場で成長を遂げる。年間配当金は26円(株式分割後計算、前期は20円)と大幅な増配となる予定。アシックスは14日、最大200億円相当の自社株買いを実施することも発表した。

アシックスは、9月30日までに、発行済株式総数(自社株を除く)の約1%に相当する700万株を上限に自社株買いを行う予定。同社が14日の取引中に発表すると、株価は前日比9%高の3668円となり、1月23日の上場以来の高値(3683円)に迫った。終値は5%上昇の3518円だった。

増配について、最高財務責任者(CFO)を務めるアシックスの林宏治常務取締役は同日開催された決算説明会で「個別のIR(投資家対応)の強化を検討している。これまでは営業利益の増加を配当増額の目安としてきたが、配当利回りが高くないとの指摘もあることを踏まえ、営業利益の増加を上回る配当を行うことにした」と述べた。前期の配当金を基に算出した配当利回りは0.56%となります。

2025年度の売上高は15%増の7800億円、営業利益は20%増の1200億円と、ともに過去最高を見込む。アシックスは、ブランド力強化や低価格帯のエントリー層向け商品の縮小など「選択と集中」を継続し、売上高営業利益率は前期比0.6ポイント増の15.4%を見込む。

2025年1月の売上(速報値)は前年同月比約30%増加。アシックスの富永光之社長は「好調な状況は続いている。(今年度の見通しは)中国経済や米国の関税引き上げへの懸念から比較的保守的だ」と述べた。

アシックスは、為替レートを1ドル=150円と前期(151円)より若干の円高を想定している。対ドルで1円円高になると年間営業利益が3,000万円減少し、対ユーロで1円円高になると年間営業利益が1億7,000万円減少します。

アシックスの2024年度(2024年12月期)連結決算によると、売上高は前期比19%増の6,785億円、純利益は81%増の638億円となった。主な影響要因は10月から12月までの営業利益の達成です。前年同期はクリスマス商戦に合わせ販促活動を展開したため、営業損失が続いていた。 「これまで課題だった低価格販売を減らした。これはブランドの影響力が高まった結果だ」と林浩司氏は語った。

昨年度の通期の売上総利益率は55.8%となり、前年度比3.8ポイント増加しました。アシックスのインターネット会員サービス「OneASICS」の会員数増加が、収益性の高い電子商取引事業の拡大を牽引している。