日本の対中輸出入が過去最高を記録
財務省が4月17日に発表した2024年貿易統計速報によると、貿易収支は5兆2216億円の赤字となった。貿易赤字は4年連続となる。歴史的な円安を背景に、日本の輸出は増加し、貿易赤字は前年比15%減少した。
輸出額は前年比5.9%増の108兆9345億円となった。 2年連続で100兆円を超え、比較可能なデータがある1979年以降、過去最高を記録した。人工知能(AI)分野への投資増加を背景に、半導体製造装置などが輸出を押し上げた。
平均為替レートは1米ドル=152.60円となり、円は米ドルに対して6.1%下落した。
日本の輸入は4.7%増の114兆1562億円となり、1年ぶりに増加した。パソコンやスマートフォンなどの輸入が増加した一方で、原油の輸入は減少した。原油輸入価格は1,000リットル当たり79,083円で、前月比1.5%上昇したが、数量では7.1%減少した。
地域別にみると、米国向け輸出は3.8%増の21兆6,482億円、輸入は7.7%増の12兆6,429億円となった。米国への輸出入はともに過去最高となり、貿易黒字は1.3%減の9兆530億円となった。日本の輸出総額のうち米国は19.9%を占め、3年連続で最大の輸出先となっている。
日本の輸出品目のうち、自動車は1.6%増加した。為替の影響に加え、ハイブリッド車など付加価値の高い車種の需要が高い。日本の輸入では、コンピュータ製品が2.9倍に増加しました。データセンターなどで利用される高価な商用サーバーの需要が高まっています。
アジア向け輸出は8.8%増の58兆513億円、輸入は7.1%増の55兆176億円となった。このうち中国向けは輸出が3.4%増の18兆8917億円、輸入が7.1%増の25兆9392億円となり、ともに過去最高を更新した。日本の対中貿易赤字は7兆474億円となり、1年ぶりに赤字幅が拡大した。
日本の半導体製造装置などの輸出が増加した。輸入面では、スマートフォンなどの通信機器やパソコンなどのコンピュータ製品が成長に貢献した。
欧州連合(EU)から見た日本の輸出額は7.8%減の9兆7740億円、輸入額は7.6%増の12兆3047億円となった。円安や医薬品単価の上昇などにより、輸入は過去最高を記録した。
令和7年3月の貿易黒字は5,440億円となり、前年同期比55.5%増加した。輸出は3.9%増の9兆8,478億円、輸入は2%増の9兆3,037億円となった。