大豆価格が6ヶ月ぶりの高値

国際大豆価格が上昇した。国際指標となるシカゴ商品取引所の先物価格(主力)は1月23日、一時1ブッシェル当たり10.5~10.9ドルのレンジに達し、2024年7月下旬以来6カ月ぶりの高値となった。大豆の最大輸入国である中国と主要輸出国である米国との貿易摩擦への懸念が和らいだことに加え、主要産地の天候不順による供給減少が懸念されていることが背景にある。

大豆価格は2024年12月中旬に4年ぶりの安値を記録し、トランプ氏が米国大統領に就任する前は1ブッシェルあたり約10ドルの低価格帯で推移していた。トランプ大統領はかつて選挙公約で中国に高関税を課すことを主張していたが、それが新たな貿易戦争勃発への懸念を引き起こし、市場に下押し圧力をもたらした。

予想に反して、トランプ大統領は就任初日(1月20日)に署名すると予想されていた追加関税大統領令​​に署名しなかった。市場では、追加関税に対するトランプ大統領の強硬姿勢が軟化したとの見方が出ている。市場では、米国の大豆輸出の急激な減少など、これまで予想されていた大きな影響は回避できるとみられており、こうした見方が大豆価格の上昇につながっている。

主要生産国アルゼンチンの気象条件に対する懸念も価格上昇の大きな要因となった。アルゼンチンのロサリオ穀物取引所は1月17日、乾燥と降雨量の減少が作物に及ぼす影響に関するデータを発表した。具体的な数字は言及されていないが、2024~2025年の大豆生産量は前年より少なくなると予想されている。

グリーン郡長の大本尚之氏は、ブラジルでの雨が続くと収穫が遅れる可能性があり、供給量の減少も懸念されると述べた。同氏は「現在の価格上昇は複数の要因の結果であり、チャートからも下落傾向から脱したことがわかる」とみている。