石破茂首相:CPTPP拡大を推進
石破茂首相は5月29日、東京で開催された第30回日経フォーラム「アジアの未来」で講演を行いました。石破茂首相は、アジア自由貿易体制の下で更なる経済成長を実現するため、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)の拡大を推進していくと述べました。また、「ASEAN(東南アジア諸国連合)や欧州連合(EU)との対話を模索していく」と明言しました。
第30回日経フォーラム「アジアの未来」は同日、東京で開幕しました。石破茂首相は、米国の追加関税措置をはじめとする問題について、「国際貿易をめぐる緊張は急速に高まっている」と警告しました。
石破茂首相は演説で、世界的に保護主義と内向き志向が高まっていることに触れ、日本は自由貿易体制を断固として支持すると述べ、「アジア諸国は協力し、ルールに基づく自由で公正な経済秩序の重要性を世界に示す」よう訴えました。
この目標を推進するための戦略の一つとして、石破茂首相はCPTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の推進の重要性を提唱しました。「CPTPPは幅広い分野を網羅し、高い水準の統一ルールを策定することで、経済的利益をもたらすだけでなく、世界の平和と繁栄にも貢献する」と述べ、「日本はこのプロセスにおいて主導的な役割を果たし、枠組みの拡大と高度化を積極的に推進していく」と強調しました。
CPTPPは、物品関税の削減にとどまらず、サービス、投資の自由化、知的財産権など、様々な分野を網羅する、経済活性化を促進する多国間協定です。 2024年12月現在、英国が正式に加盟し、加盟国は12カ国となりました。ASEAN諸国では、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナムが既に加盟しています。
石破茂総理大臣は、日本はCPTPPを中核として、ASEANおよびEUとの連携を強化し、主導的な役割を果たしていくと述べました。日本は現在、EUと経済連携協定(EPA)を締結しています。世界的には、米国の関税政策を受けて、自由貿易の重要性を強調し、志を同じくする国・地域間の協力を促進するよう求める声が高まっています。
