日本とブラジル、80件以上の経済覚書に署名

3月26日、日本とブラジルの政府や企業は、脱炭素化やデジタル分野での協力に関する80件以上の覚書に署名した。日本の石破茂首相とブラジルのルラ・ダ・シルバ大統領は東京で行われたビジネスセミナーに出席し、協定の調印を歓迎した。ルラ大統領が国賓として日本を訪問することで、両国の協力が深まるだろう。

石破茂氏は「ブラジルの高品質なバイオ燃料と日本の高性能な輸送手段はカーボンニュートラル実現の鍵となる組み合わせであり、両国が協力して世界に普及・提案していく​​ことに価値がある」と述べた。

ルラ大統領は「日本とブラジルの企業間の協力関係を育み、共に成長していきたい。日本と南米南部共同市場(メルコスール)の間で経済連携協定(EPA)が締結されるべきだと確信している」と述べた。

首脳会議は3月26日夜に開催され、政治、経済、気候変動を柱とする5カ年行動計画を最終決定する予定だ。また、両国の首脳が2年に1度、相手国を訪問し、新たな外交・防衛対話を開始することも確認される。

さらに、森林伐採や焼却により遊休状態となっていたブラジルの土地を、政府開発援助(ODA)を活用して良質な農地に改良することが決まった。日本とブラジルは、両国の若者がお互いの国に長期滞在し、働くことを可能にする「ワーキングホリデー」制度の交渉を開始することで合意した。

アンモニア製造を手掛けるつばめBHB(横浜市)は26日に締結した覚書で、サトウキビの加工過程で出る廃棄物から生産した「グリーンアンモニア」を肥料として活用することに協力することを決めた。住友商事は輸送中の豚肉を長期間新鮮に保つ技術を導入する。

全日本空輸ホールディングス(ANAHD)は、エンブラエル社製の航空機を購入する覚書を締結した。

石破茂首相は、日本からブラジルへの直接投資が2024年以降に約1兆3千億円に達すると紹介し、「これは間違いなく日本企業のブラジルに対する期待を反映している」と強調した。

ブラジルは南米で最大の経済と人口を誇ります。日本は製造業に欠かせない鉄鉱石や、食料生産に必要な大豆をブラジルから輸入している。日本からブラジルへの自動車部品などの工業製品の輸出。両国は経済安全保障の面で互いに欠かせない存在となっている。

日本は、新興国や発展途上国である「グローバル・サウス」との協力の鍵として、常にブラジルを重視してきました。ブラジルは、ロシア、中国、インドなどの主要な新興市場国からなるBRICSグループの一員ですが、法の支配と国際協力の重要性については日本と共有しています。

2025年は日本とブラジルの外交関係樹立130周年にあたります。日本政府は2019年、トランプ米大統領(1期目)以来初の国賓としてルラ氏を迎えた。