中国の需要増加により、日本の工作機械受注は4月に8%増加した

日本工作機械工業会が15日に発表した4月の工作機械受注額(速報値)は前年同月比8%増の1302億円だった。全体的な成長は7か月連続で達成されました。現在の状況を踏まえると、製造業では企業の工場投資は引き続き堅調に推移すると一般的に考えています。

4月の工作機械受注の構成をみると、国内は5%減の344億円、海外は13%増の957億円となった。労働組合側は「許容できる水準だ。国内中小企業の設備投資は弱いものの、米国の関税による交渉中断などの影響はない」としている。

工作機械やロボットなどファクトリーオートメーション関連分野の状況を見ると、2025年度(2026年3月期)は増収増益を見込む企業が多い。トランプ大統領の関税により設備投資が鈍化するリスクはあるが、中国や半導体関連の需要回復でそのリスクは相殺されるとの見方が主流だ。

牧野フライス製作所は、円高の影響で2025年度の連結売上高は前年度比113億円減、営業利益は21億円減となる見込みだが、通期業績では売上高、営業利益ともに過去最高を更新するとみている。

マキノの売上の30%は米国市場によるものだが、米国には現地の競合相手がほとんどいない。同社は、米国以外からの輸入品に課せられる関税が価格に転嫁されたとしても、受注に大きな影響は及ばないとみている。

オークマは2025年度に2年ぶりに売上高と営業利益が増加すると予想している。関税対策として顧客が米国へ生産を移転したことによる投資に加え、需要が旺盛な航空宇宙・半導体分野の需要回復も寄与する。

FA部品メーカーのSMCは、関税と為替の相乗効果で売上高が550億円、営業利益が296億円減少すると試算している。しかし、中国製造業の現地化や中国メーカーの東南アジアへの生産移転に伴う工場投資などが進み、3年後には売上高、営業利益ともに倍増する計画だ。
半導体や中国市場の需要減退は底打ちしたとみられ、ファクトリーオートメーション業界では関税による下振れ懸念よりも、2025年の本格回復への期待が上回ったようだ。

一部の企業もリスクに対して警戒を強めている。ファクトリーオートメーション部品メーカーのミスミグループ本社は、売上高、利益ともに減少すると予想している。同社は、関税と円高により、販売量の増加で相殺できないほどの売上減少につながると考えている。

ロボットメーカーのファナックは、米国の関税の影響を予測することが難しいため、業績予想を公表しなかった。山口健二社長は「高関税が課せられた場合、将来の選択肢の一つとして米国での生産拡大もあり得る」と述べた。

売上と利益の両面の成長を見込んでいる企業であっても、急激な事業環境の変化に対応できる準備が必要です。