国際トウモロコシ価格が下落

トウモロコシの国際価格は下落した。 3月11日、シカゴ・マーカンタイル取引所の指標先物(最も活発に取引される決済月)は1ブッシェルあたり4.5ドルから4.9ドルの間で推移し、一時は前日比0.6%下落した。中国の輸入見通しは下方修正され、米中貿易摩擦への懸念が強まった。

米農務省(USDA)が3月11日に発表した3月の需給報告によると、2024~25年の中国のトウモロコシ輸入量は800万トンと予想され、2月の1000万トン予測から20%減少した。これは2023~2024年の予想2,341万トンから66%減少し、2019~2020年以来の最低水準となる。

中国は米国産トウモロコシの主要輸入国である。トランプ政権の対中関税に対抗して、中国は米国産農産物に最大15%の関税を課した。トウモロコシも対象に含まれていることから、市場では影響を懸念する声が高まっている。

中国でもトウモロコシ過剰の兆候が見られる。 2024~2025年の生産量は前年比2%増の2億9,492万トンになると予想されている。輸入の減少により、期末在庫は2月より1%減少する見通しだが、2億118万トンと高水準を維持する。

中国のトウモロコシ需給について、日本グリーンカウンティ代表の大本尚之氏は「国内の豊作と豊富な在庫により輸入の必要性が減った」と指摘した。同氏は「米中関係が改善しても、米国産トウモロコシの需要増加を促すのは難しいだろう」と考えている。

米国のトウモロコシ輸出量は6,223万トン、期末在庫は3,912万トンと予想されている。輸出と在庫の予想はともに2月から変化なし。市場が懸念している米国の輸出と期末在庫に対する予想が変わらなかったことも、見通しの不確実性をさらに高めている。

シカゴ市場では小麦先物も3月11日に下落した。最も取引が活発な決済月は1ブッシェル当たり5.5ドルから5.9ドルの間で推移し、一時は前日比1.2%下落した。

需給報告では、2024~25年の米国産小麦の輸出量は2月より2%減の2,273万トンになると予想されている。最終在庫は3%増の2,230万トンになると予想されており、世界的な余剰の兆候が期待を強めている。